「先代から引き継いだ土地に借地人の家が建っている」「地代は入るが自分では使えず、売ろうにも買い手がつかない」——こうした底地(そこち)の扱いに悩む地主は少なくありません。底地は通常の更地とは売り方も価格の考え方も大きく異なります。

本記事では、ヘリテージリンクが東京・埼玉エリアで相続・不動産のご相談に対応してきた立場から、底地を売る4つの方法・価格(底地割合)・借地人との交渉と承諾料・相続対策までを整理します。価格や承諾料は地域・契約で大きく異なるため、幅を持たせて解説します。

💡 この記事でわかること
・底地とは何か、なぜ「使えない・売りにくい・評価は高い」のか
・底地の価格の考え方(底地割合・借地権割合A〜G)と数値例
・底地を売る4つの方法と向き不向き
・借地人との交渉のコツと譲渡承諾料などの論点
・相続で底地を持つ場合の評価の重さと生前対策
☐ 借地人がいる土地(底地)を持ち、売却や整理を考えている
☐ 底地がいくらで売れるのか相場観を知りたい
☐ 借地人とどう交渉すればよいか分からない
☐ 相続税評価が高くて子への承継が不安
☐ 専門の底地買取業者に売るべきか迷っている

目次

第1章 底地とは|借地権との関係となぜ売りにくいのか
第2章 底地の価格と相続税評価|底地割合・数値例
第3章 底地を売る4つの方法|比較表と各方法
第4章 借地人との交渉と承諾料
第5章 相続と底地|評価が高い問題と生前対策
第6章 よくある質問(Q&A)
まとめ

🚨 重要な注意
本記事は2026年7月時点の一般的な情報提供です。底地・借地権の価格、底地割合、承諾料の水準は地域・契約・借地人との関係により大きく異なり断定できません。具体的な判断は不動産会社・税理士・弁護士等の専門家にご確認ください

第1章 底地とは|借地権との関係となぜ売りにくいのか

🎯 この章で解説すること
・底地と借地権の関係
・地主が底地に抱える悩みの構造

底地とは、建物所有を目的とする借地権(地上権・賃借権)が設定された土地の、地主側が持つ所有権です。「建物を建てて使う権利(借地権)」は借地人が、「土地の所有権(底地)」は地主が持つと権利が分かれ、地主は対価として地代を受け取ります。土地を使うのは借地人で、地主は所有者でありながら自分では使えない点が、更地・自用地との違いです。

📖 参考:借地借家法(1992年施行)
建物所有を目的とする賃借権・地上権を「借地権」と定め借地人を保護しています。契約期間満了だけでは地主は契約を終了しにくく、これが底地の流動性の低さの背景です。1992年8月より前の古い契約は「借地法(旧法)」が適用されることがあり、契約書と適用法令の確認が出発点になります。

底地を持つ地主の悩みは、① 自分で使えない、② 地代が低いことがある、③ 売りにくい(他人が使う土地で買い手が限られる)、④ 相続税評価は高くなりがち、という構造にまとめられます。この「収益は小さいのに売りにくく、相続時の評価だけは重い」アンバランスが、早めに整理・売却したい地主が多い理由です。

✅ 本章のまとめ
☑ 底地=借地権が設定された土地の地主側の所有権。土地は使えず地代を受け取る立場
☑ 古い契約は旧借地法が適用されることがあり、契約書と適用法令の確認が出発点
☑ 「使えない・売りにくい・評価は高い」構造が悩みの核心

第2章 底地の価格と相続税評価|底地割合・数値例

🎯 この章で解説すること
・借地権割合(路線価図のA〜G)の読み方
・底地(貸宅地)の相続税評価の計算と数値例
・「評価額」と「実際に売れる価格」は別物であること

土地の価値を「借地権」と「底地」に分ける配分を示すのが借地権割合で、国税庁の路線価図にエリアごとA〜Gの記号で示されます。都心の商業地ほど借地権割合は高く(=底地割合は低く)、住宅地では60%(D)や50%(E)が多く見られます。

記号 借地権割合 底地割合の目安
A 90% 10%
B 80% 20%
C 70% 30%
D 60% 40%
E 50% 50%
F 40% 60%
G 30% 70%

相続税の計算上、底地は貸宅地として、原則「自用地としての評価額 ×(1 − 借地権割合)」で評価します。数値例では、自用地評価額3,000万円・借地権割合60%(記号D)の場合、底地割合は40%となり、底地の相続税評価額は3,000万円 × 40% = 1,200万円です。

📖 参考:国税庁「財産評価基本通達」/路線価図・評価倍率表
貸宅地(底地)の相続税評価は「自用地としての価額 ×(1 − 借地権割合)」で計算し、借地権割合は路線価図のA〜Gで示されます。

注意したいのは、この1,200万円が実際に売れる価格を上回りやすい点です。相続税評価額は課税上の計算値で、実勢価格とは一致しません。底地は買い手が限られ、第三者への売却では更地価格の1〜2割程度にとどまることもあり、評価額を下回るケースが少なくありません。

⚠️ 注意
価格は地域・地代水準・契約・借地人との関係で大きく変わり、断定できる相場は存在しません。実際の売却価格は必ず複数社の査定で確認してください。
✅ 本章のまとめ
☑ 借地権割合は路線価図のA〜G(90〜30%)で示され、底地割合はその残り
☑ 底地の相続税評価=自用地評価額 ×(1 − 借地権割合)。例:自用地3,000万円×借地権60%なら底地評価1,200万円
☑ 相続税評価額と実際に売れる価格は別物。第三者売却では評価額より低くなりやすい
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第3章 底地を売る4つの方法|比較表と各方法

🎯 この章で解説すること
・底地を売る代表的な4つの方法
・それぞれの手取り・難易度・向いているケース
方法 売る相手 価格の傾向 難易度・特徴
①借地人へ売却 借地人 当事者間で調整(比較的高めも) 最も自然。相手にもメリット
②底地買取業者へ売却 専門業者 低めになりやすい(更地の1〜2割程度も) 現況のまま早く売れる
③借地権と底地の同時売却 第三者 完全所有権として高めを狙える 借地人の協力が前提
④等価交換 (借地人と交換) 売却でなく権利の分割 双方が完全所有権の土地を得る

3-1. ①借地人へ売却する|最も自然で交渉しやすい

最も自然な売却先が、土地を使う借地人本人です。買い取れば借地権と底地が一体となり完全な所有権になり、地代がなくなり建替えや売却も自由になるため借地人側にもメリットがあります。利害が一致しやすく業者売却より手取りが多くなることもありますが、関係が良好でないと難航することもあり、価格の根拠を示し不動産会社など第三者を介すのが有効です。

3-2. ②底地買取業者へ売却する|現況のまま早く売れる

交渉が難しい・早く現金化したい場合は底地専門の買取業者への売却が選択肢です。業者は収益物件として、または将来完全所有権化する前提で買い取り、借地人の同意なく売却できます。一方、採算を見込むため買取価格は低めになりやすく、更地価格の1〜2割程度にとどまることもあります。価格より手間なく早く手放すことを優先する場合に向きます。

3-3. ③借地権と底地を同時に売却する|手取りを最大化しやすい

地主と借地人が協力し、借地権と底地をセットで完全所有権として第三者へ同時売却する方法です。制約のない土地になるため単独売却より高値が付きやすく、代金を借地権割合・底地割合で按分でき双方が手取りを最大化しやすいのが利点です。例えば借地権60%・底地40%の土地が3,000万円で売れれば、借地人1,800万円・地主1,200万円といった按分になります(配分は協議で決定、借地人の協力が不可欠)。

3-4. ④等価交換する|それぞれが完全所有権の土地を得る

等価交換は、1つの土地を分割し借地権と底地の一部を交換して、地主・借地人がそれぞれ完全所有権の土地を持つ形にする方法です。借地権60%・底地40%なら土地をおおむね6:4に分け、地主が4割部分の完全所有権を得ます。現金は得られませんが「使えない底地」が「使える・売れる土地」に変わる点がメリットで、分筆や税務上の特例の適用可否も含め専門家の関与が前提です。

📖 参考:所得税法第58条(固定資産の交換の特例)
一定要件を満たす固定資産どうしの交換では、譲渡がなかったものとして課税を繰り延べられる特例があります。用途・時価差などの要件があり、適用可否は個別判断です。
✅ 本章のまとめ
☑ 借地人へ売却=最も自然で双方にメリット、交渉しやすい
☑ 業者へ売却=現況のまま早く売れるが価格は低めになりやすい
☑ 同時売却・等価交換=完全所有権化で手取り・使い勝手を高めやすいが借地人の協力が前提
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第4章 借地人との交渉と承諾料

🎯 この章で解説すること
・底地整理で関わる各種「承諾料」の考え方
・借地人との交渉で関係を悪化させないコツ

底地・借地では、借地人の行為に地主が承諾を与える対価として複数の承諾料が問題になります。代表的なものは、①譲渡承諾料(名義書換料)=借地権を第三者へ譲渡する承諾(更地価格の10%程度が一つの目安)、②建替承諾料=建替えの承諾(更地価格の数%程度も)、③条件変更承諾料=非堅固から堅固建物への変更など、④更新料=更新時に支払われることがある、です。いずれも金額は契約や慣行で幅があり断定はできません。

📖 参考:借地借家法第19条(借地権の譲渡・転貸の許可)
借地人が借地権を第三者へ譲渡・転貸しようとする際、地主が承諾しない場合は裁判所が承諾に代わる許可を与えることがあり、その際に承諾料に相当する「財産上の給付」が命じられることがあります。

借地人が「借地権を売りたい」というタイミングは、地主にとっても同時売却や底地の買い取りを持ちかける好機になり得ます。底地の整理は長く続く関係の相手との交渉で、感情的なもつれは双方の損につながりかねません。① 価格・割合の根拠を示す、② 相手のメリットを示す、③ 専門家を介す、の3点が有効で、合意書を交わす前に契約書の確認と専門家への相談をおすすめします。

✅ 本章のまとめ
☑ 譲渡承諾料は更地価格の10%程度が一つの目安(断定できず契約・地域で変動)
☑ 建替・条件変更・更新にも承諾料が関わることがある
☑ 交渉は客観的根拠・相手のメリット・専門家の関与がカギ

第5章 相続と底地|評価が高い問題と生前対策

🎯 この章で解説すること
・底地が相続で「重い財産」になりやすい理由
・生前にできる整理・売却・物納などの検討

底地は一定の相続税評価額が付く一方、地代収入は小さく、売っても市場価格は評価額を下回りやすい——この評価と実勢のギャップが相続時の納税資金を圧迫します。底地評価1,200万円でも地代は年間数十万円、業者売却では数百万円ということもあり、相続人が「評価どおりの相続税は課されるのに換金しても評価額に届かない」立場に置かれかねません。

これを避けるには相続前(生前)の整理が有効です。① 生前に売却・現金化(第3章の4方法で「売りにくい底地」を「分けやすい現金や使える土地」に変える)、② 借地人との関係を整理(契約確認や対話を早めに進める)、③ 物納を検討(金銭納付が困難な場合に一定要件のもとで底地などで納める制度。要件は厳格)が主な方向性です。

📖 参考:相続税法第41条(物納)
相続税は金銭納付が原則ですが、金銭で納付することが困難な場合に限り、一定要件を満たす財産による物納が認められることがあります。物納財産の種類・順位や、管理処分に適した財産であることなどの要件があります。
⚠️ 注意
物納・生前贈与・売却のいずれも税負担や要件は個別事情で大きく変わり、「底地だから必ず節税になる」といった単純な話ではありません。相続対策としての底地の扱いは、早めに税理士・不動産会社に相談して全体設計を行うことが大切です。
✅ 本章のまとめ
☑ 底地は「収益は小さいのに相続税評価は重い」財産になりやすい
☑ 生前の売却・現金化で相続財産を分けやすい形に変えられる
☑ 物納など選択肢はあるが要件は厳格。早めの専門家相談が有効

第6章 よくある質問(Q&A)

🎯 この章で解説すること
・底地の売却で地主からよく寄せられる疑問への回答

Q1. 底地は借地人の同意がなくても売れますか?
A. はい。底地(所有権)の売却自体は地主の判断で可能で、底地買取業者などへは借地人の同意なく売れます。ただし借地人への売却・同時売却・等価交換は借地人との合意が前提です。

Q2. 底地はいくらで売れますか?
A. 売る相手と方法で大きく異なります。業者への売却では更地価格の1〜2割程度にとどまることもあり、借地人への売却や同時売却では手取りが増えるケースもあります。相続税評価額とも一致せず、必ず複数社の査定で確認してください。

Q3. 借地人が底地を買ってくれないときは?
A. 底地買取業者への売却が現実的な選択肢です。時間をかけて価格の根拠を示したり、不動産会社に間に入ってもらうことで借地人の検討が進む場合もあります。

Q4. 底地を売ると税金はかかりますか?
A. 売却益(譲渡所得)が出れば譲渡所得税・住民税がかかります。取得費や所有期間による税率の違いなど論点が多く、税額は税理士・税務署にご確認ください。

Q5. 古い契約で地代がとても安いのですが、売却に影響しますか?
A. 地代が低いと収益物件としての価値も下がりやすく、業者買取価格に影響することがあります。地代改定や更新のタイミングも含め、契約内容をもとに専門家と方針を立てるのが有効です。

✅ 本章のまとめ
☑ 底地の売却自体は地主の判断で可能。方法により価格・手取りが変わる
☑ 相場は断定できず複数社査定が前提
☑ 税務・契約の個別論点は専門家に確認

まとめ|底地は「早めの整理」で選択肢が広がる

底地は、自分で使えず地代収入は小さく売りにくい一方、相続税評価は重くなりがちという扱いの難しい財産です。しかし売る方法は「借地人へ売却」「業者へ売却」「同時売却」「等価交換」と複数あり、状況に応じて選べます。まずは自分の底地の借地権割合と価格の目安を把握し、複数社の査定で比較することが第一歩です。

💡 本記事の要点(3つ)
① 底地=借地権が設定された土地の所有権。使えず・売りにくく・相続税評価は重くなりがち
② 売る方法は4つ。借地人への売却が最も自然で、同時売却・等価交換は完全所有権化で手取りを高めやすい
③ 相続税評価と実勢価格は別物。承諾料や税務は個別性が高く、生前の整理と専門家相談が有効

ヘリテージリンクでは、東京・埼玉エリアを中心に底地・借地権を含む相続不動産のご相談を承っています。「自分の底地がいくらで売れるのか」「借地人とどう交渉すればよいか」「相続前に整理すべきか」といったお悩みに、査定と専門家連携でお応えします。まずはお気軽に無料査定・無料相談をご利用ください。

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🚨 免責事項
本記事は2026年7月時点の一般的な情報提供であり、個別の税務・法務・投資アドバイスではありません。底地・借地権の価格、底地割合・借地権割合、承諾料の水準、相続税評価や譲渡所得の取扱いは、地域・契約内容・借地人との関係・個別事情により大きく異なり、記載の数値・目安は断定的なものではありません。具体的な売却・交渉・相続対策の判断にあたっては、不動産会社・税理士・司法書士・弁護士等の専門家に必ずご確認ください。

運営:ヘリテージリンク株式会社|東京・埼玉エリアの相続不動産・空き家の査定・売却・管理

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