親から相続した家が借地権付き建物だった——つまり、建物は自分のものだが土地は地主から借りている、というケースは少なくありません。借地権付きの不動産は、売却に地主の承諾が必要になるなど、通常の所有権の物件とは進め方が異なります。
本記事では、借地権の基礎から、売却する4つの方法、地主に支払う譲渡承諾料の相場、かかる税金、注意点までを整理します。東京・埼玉エリアで借地権付き不動産のご相談に対応してきたヘリテージリンクの実務目線でまとめました。
・借地権とは何か(旧法・普通・定期の違い)
・借地権を売る4つの方法
・地主に払う譲渡承諾料の相場
・売却でかかる税金と注意点
目次
第1章 借地権とは
第2章 借地権を売る4つの方法
第3章 譲渡承諾料の相場と地主の承諾
第4章 税金と注意点
まとめ
借地権の評価・承諾料・税務は個別性が高く、契約(借地契約の種類・特約)や地主との関係で大きく変わります。本記事は一般的な情報提供であり、実際の売却・税務は弁護士・税理士・不動産の専門家にご相談ください。
第1章 借地権とは|土地を借りて建物を持つ権利
借地権とは、建物を所有する目的で他人の土地を借りる権利をいいます。土地の所有権(底地といいます)は地主にあり、借地人は地代を払って土地を使い、その上に自分の建物を持ちます。
借地権にはいくつか種類があり、いつ設定されたか・契約形態で扱いが変わります。
| 種類 | 概要 |
|---|---|
| 旧法借地権 | 平成4年7月以前に設定。借地人保護が厚く、更新が原則。今も多く存在 |
| 普通借地権(新法) | 平成4年8月以降。正当事由がなければ更新される |
| 定期借地権 | 契約期間満了で更新なく終了。期間満了時に返還 |
相続で引き継ぐ借地権は旧法借地権であることが多く、借地人の権利が比較的強く保護されています。ただし売却時には地主の関与が必要になる点は共通です。
第2章 借地権を売る4つの方法
借地権付き建物を手放す方法は、主に次の4つです。
① 地主に買い取ってもらう:地主が借地権を買い戻せば、地主は完全な所有権に戻せます。話がまとまりやすい反面、価格は交渉次第。
② 第三者に売却する(地主の譲渡承諾が必要):借地権を欲しい第三者に売る方法。地主の承諾(譲渡承諾)と承諾料が必要です。
③ 地主と共同で売却する:借地権と底地をセットで第三者に売ると、完全所有権として高く売れやすい。地主との協調が前提。
④ 底地と交換して所有権の一部にする:借地権と底地を等価交換し、それぞれが所有権を得たうえで売却する方法。
地主が第三者への譲渡を承諾しない場合、裁判所に「借地非訟(しゃくちひしょう)」を申し立て、承諾に代わる許可を求める手続きがあります。時間と費用がかかるため、まずは地主との話し合いが基本です。
第3章 譲渡承諾料の相場と地主の承諾
第三者に借地権を売るときは、地主に譲渡承諾料(名義書換料)を支払うのが一般的です。相場は、借地権価格のおおむね10%前後とされることが多いですが、地域慣行や契約、地主との関係で幅があります。
・譲渡承諾料:借地権価格の約10%前後
・建替え承諾料・条件変更承諾料などが別途生じることもある
※金額は法律で定まっておらず、あくまで交渉・慣行によります。
借地権価格は、更地価格に借地権割合(路線価図に記載。都市部で60〜70%程度が多い)を掛けて概算します。実際の売買価格は立地・建物状態・地代・契約内容で調整されます。
☑ 第三者売却には地主の譲渡承諾と承諾料(借地権価格の約10%前後)が必要
☑ 承諾が得られなければ借地非訟という手続きもある
☑ 借地権価格は更地価格×借地権割合で概算
第4章 税金と注意点
借地権を売却して利益が出れば、通常の不動産と同様に譲渡所得税・住民税がかかります。所有期間5年超なら長期(約20.315%)、5年以下なら短期(約39.63%)です。相続で取得した借地権は、被相続人の取得時期を引き継ぐため長期になることが多くなります。
注意点として、借地権の売却は地主・借地人・買主の三者の調整が必要で、通常の売買より時間がかかりがちです。地代の滞納がないか、契約書(借地契約)の内容、更新料の取り決めなども事前に整理しておくとスムーズです。
まとめ|借地権売却は「地主との調整」が要
借地権付き不動産は、①地主に買い取ってもらう②第三者に売る③共同売却④等価交換、の4つが基本の出口です。第三者売却には地主の承諾と承諾料(借地権価格の約10%前後)が必要で、調整に時間がかかります。まずは権利関係と借地契約の内容を整理し、専門家に相談しながら進めましょう。
ヘリテージリンクは、東京・埼玉エリアで借地権付き不動産の査定・売却のご相談を承っています。地主との交渉を含め、最適な進め方をご案内します。
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本記事は2026年7月時点の一般的な情報提供であり、個別の法務・税務アドバイスではありません。承諾料・借地権割合・税務は個別事情で異なります。弁護士・税理士・不動産の専門家にご確認ください。
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