親や祖父母から家を相続したものの、「自分たちは住む予定がない」「維持費が負担になっている」「早く手放したいが何から始めればいいかわからない」と悩んでいる方は非常に多くいらっしゃいます。
相続した家の売却は、通常の不動産売却と異なる手続きが多く、名義変更(相続登記)・遺産分割協議・税制の活用など、知らずに進めると思わぬ損をしてしまうこともあります。
この記事では、相続した家を売却するまでの全ステップと成功のポイントを、不動産コンサルタントの視点から徹底解説します。

なぜ相続した家の売却は難しいのか?
「実家を売りたい」と思っても、相続特有のハードルがいくつも存在します。多くの方がつまずくポイントを整理しておきましょう。
- ✅ 名義が故人のままでは売買契約が結べない
- ✅ 相続人が複数いる場合、全員の同意が必要
- ✅ 遠方・築古・空き家は通常の仲介では売れにくい
- ✅ 売却タイミングを誤ると税制上の特例が使えなくなる
- ✅ 固定資産税・管理費が売却完了まで発生し続ける
これらを一つずつクリアしていくのが、相続不動産売却の大きな流れです。では具体的なステップを見ていきましょう。
相続した家を売却するまでの5ステップ
相続した不動産を売却するには、以下の5つのステップを順番に進める必要があります。それぞれを丁寧に確認していきましょう。
ステップ1:遺産分割協議
相続人が複数いる場合、誰がどの財産を相続するかを話し合う「遺産分割協議」が必要です。不動産を売却するには、相続人全員の合意が必要となります。
話し合いがまとまったら「遺産分割協議書」を作成し、全員が署名・実印を押します。この書類が後の手続きに必須となります。
ステップ2:相続登記(名義変更)
不動産の名義を故人から相続人へ変更する手続きです。2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料が発生します。
相続登記に必要な主な書類:
- 被相続人(故人)の出生から死亡までの戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書
- 遺産分割協議書(全員の署名・実印)
- 固定資産評価証明書
書類収集から登記完了まで通常1〜3ヶ月かかります。司法書士に依頼した場合の費用目安は5〜15万円程度です。
ステップ3:不動産の状況確認・査定
名義変更が完了したら、物件の現状を把握し、査定を依頼します。確認すべき主なポイントは以下です。
- 建物の状態(雨漏り・シロアリ被害・設備の老朽化など)
- 境界線の確認(隣地との境界が明確か)
- 接道義務(建て替えできる土地か)
- 農地・山林・原野など特殊な地目でないか
査定は複数社に依頼して比較することが重要です。1社だけでは相場を正確に把握できません。
ステップ4:売却方法の選択・売却活動
査定結果をもとに、最適な売却方法を選びます。(詳細は次の章で解説)
ステップ5:売買契約・引き渡し・確定申告
買主が決まったら売買契約を締結し、代金受領後に引き渡しを行います。売却益(譲渡所得)が発生した場合は、翌年の確定申告が必要です。
売却方法の比較:仲介 vs 買取 vs 有償引取
相続した家の売却方法は物件の状態や状況によって異なります。主な3つの方法を比較しました。
| 方法 | 価格 | 期間 | 向いている物件 |
|---|---|---|---|
| 仲介売却 | 市場価格に近い | 3〜12ヶ月以上 | 立地が良い・状態が良い物件 |
| 買取 | 市場価格の60〜80% | 数週間〜2ヶ月 | 早急な現金化・老朽化物件 |
| 有償引取 | 条件による | 相談から数ヶ月 | 山林・原野・田舎の物件・売れない空き家 |
古家・空き家・地方物件・山林・原野など、通常の仲介では売れにくい物件は、専門の買取・引取業者への相談が近道です。ヘリテージリンクでは複数の専門業者を中立的に比較し、最適な選択肢をご提案しています。
知らないと損!相続不動産の税制優遇
相続した家を売却する際に活用できる税制の特例があります。適用条件と期限があるため、事前に確認しておくことが非常に重要です。
① 相続空き家の3,000万円特別控除
一定の要件を満たす「相続した空き家」を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。
主な適用要件:
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準)
- 相続開始直前に故人が一人で住んでいた
- 相続後から売却まで、居住・賃貸・事業用に使用していない
- 売却価格が1億円以下
- 適用期限:2027年12月31日まで
② 取得費加算の特例
相続税を支払った場合、支払った相続税の一部を不動産の「取得費」に加算することで、譲渡益を減らして税負担を軽減できます。適用期限は相続開始の翌日から3年10ヶ月以内の売却が条件です。
よくある失敗パターンと対処法
相続した家の売却で多くの方がつまずくポイントを、対処法とともにまとめました。
失敗① 相続人の一人が同意してくれない
兄弟間・親族間で売却の意思統一ができないケースは非常に多くあります。
対処法:まずは各自の意向を丁寧にヒアリング。「売却して現金分割」「一人が住む代わりに代償金を支払う」「共有持分を専門業者に売却する」など選択肢を整理し、弁護士や司法書士を交えた協議が有効です。
失敗② 査定が1社だけで相場を見誤った
1社だけの査定では高すぎる・安すぎるの判断ができません。複数社に査定を依頼して相場を把握することが基本です。
失敗③ 税制特例の期限を過ぎてしまった
「もう少し様子を見よう」と後回しにしているうちに適用期限が切れてしまうケースがあります。特に取得費加算は3年10ヶ月という期限がある点に注意が必要です。
失敗④ 管理を放置して物件が傷んだ
遠方で管理が難しい場合、雨漏り・不法投棄・草の繁茂などで物件の価値が下がり続けることがあります。売却が決まるまでの間も、最低限の管理(換気・草刈り・ポスト確認)を続けることが大切です。
よくある質問(Q&A)
Q. 相続登記が終わっていないと売却できませんか?
A. はい、売買契約を締結するには名義が相続人になっている必要があります。ただし、相続登記と売却活動(査定・媒介契約)は並行して進めることが可能です。登記手続き中から準備を始めることで時間を短縮できます。
Q. 築50年以上の古い家でも売れますか?
A. 通常の不動産仲介では難しいケースが多いですが、「古家付き土地」として売却したり、買取業者や有償引取業者に相談することで解決できる場合があります。まずはご相談ください。
Q. 相続放棄したら不動産の管理義務はなくなりますか?
A. 相続放棄をしても、他の相続人が管理を開始するまでは「相続財産の保存義務」が生じる場合があります(民法940条)。完全に管理義務から解放されるには、相続財産管理人の選任などの手続きが必要です。弁護士・司法書士にご相談ください。
Q. 売却にかかる費用はどのくらいですか?
A. 主な費用として、仲介手数料(売買価格の3%+6万円+消費税が上限)、司法書士報酬(登記費用5〜15万円)、測量費(必要な場合30〜60万円)、解体費(必要な場合100〜300万円)などがかかります。ヘリテージリンクでは費用の概算もご説明します。
Q. 山林・農地・原野なども相談できますか?
A. はい、ご相談いただけます。山林・農地・原野・別荘地など特殊な地目の不動産を専門に扱う買取・引取業者とのネットワークを持っており、通常の不動産会社では対応できない物件にも対応可能です。
📞 まずは無料相談へ
「相続した不動産をどうすればいいかわからない」「古い家でも売れるか不安」「遠方の物件で管理できない」など、どんな小さな疑問でも構いません。
ヘリテージリンクでは、全国の不動産買取・引取業者を中立的な立場で比較し、お客様の状況に合わせた最適な解決策をご提案します。相談料は一切無料です。
➡ お電話・メールフォームからお気軽にご連絡ください。