「使っていない実家を相続したものの、遠方でなかなか手が回らない」「庭の草木が伸び、近隣から指摘を受けてしまった」――そうしたお悩みを抱えるオーナー様が、近年、急速に増えています。これまで空き家への行政の関与は、倒壊の危険などが現実化した「特定空家等」に限られていました。ところが2023年12月13日に施行された改正空家等対策特別措置法により、その手前の段階である「管理不全空家等」という新しい区分が設けられ、行政が早い段階から指導・勧告を行えるようになりました。

この改正で特に注目されるのが、勧告を受けると住宅用地特例が解除され、土地の固定資産税が最大で約6倍に膨らむ可能性があるという点です。「まだ特定空家ではないから大丈夫」という従来の感覚は、もはや通用しなくなりつつあります。

本記事では、空き家の管理・売却・引取を東京・埼玉を中心に手がけるヘリテージリンクが、管理不全空家等の定義から税負担のリスク、そして具体的な解決策までを、条文番号と一次情報に基づいて客観的に整理いたします。情報は2026年6月時点のものです。

空き家の問題は、放置している期間が長くなるほど、建物の傷みも、近隣との関係も、そして税負担の見通しも複雑になっていきます。逆に言えば、制度の仕組みを正しく理解し、早い段階で手を打てば、選べる選択肢は格段に広がります。「何から考えればよいかわからない」という段階のオーナー様にこそ、まず全体像をつかんでいただきたい――そうした思いで本記事をまとめました。難しい専門用語はできるだけかみ砕いて解説しますので、最後までお付き合いいただければ幸いです。

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第1章 管理不全空家等とは|2023年改正で新設された区分

🎯 この章で解説すること
まずは「管理不全空家等」とは何か、その法的な定義と、従来からある「特定空家等」との違い、そして改正に至った背景を整理します。言葉の意味を正しくつかむことが、リスクを把握する第一歩です。

1-1.管理不全空家等の法的な定義

「管理不全空家等」とは、簡潔に言えば「適切な管理が行われていないことにより、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある状態の空き家」を指します。2023年改正によって空家等対策の推進に関する特別措置法(以下「空家法」)に新しく位置づけられた区分です。

具体的なイメージとしては、窓ガラスが割れたまま放置されている、雑草や樹木が敷地を覆っている、外壁の一部が剥がれかけている、といった状態が挙げられます。倒壊などの危険が現実化する一歩手前の段階、と捉えるとわかりやすいでしょう。

📖 空家等対策の推進に関する特別措置法 第13条第1項(要旨)
「市町村長は、管理不全空家等の所有者等に対し、当該管理不全空家等が特定空家等に該当することとなることを防止するため、必要な措置をとるよう指導をすることができる。」

この改正法は令和5年法律第50号として2023年6月14日に公布され、同年12月13日に施行されました。条文上、管理不全空家等への措置は第13条に定められています。

1-2.特定空家等との違い

混同されやすいのが「特定空家等」との違いです。特定空家等は、すでにそのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態などに至った空き家を指し、空家法第22条に基づき助言・指導、勧告、命令、さらには行政代執行までが予定されています。

一方の管理不全空家等は、その「手前」の段階です。両者の位置づけを整理すると、次のようになります。

項目 管理不全空家等 特定空家等
状態の段階 放置すれば特定空家になるおそれ 倒壊・衛生・景観等で著しく問題
根拠条文 空家法 第13条 空家法 第22条
行政の措置 指導・勧告 助言指導・勧告・命令・代執行
勧告時の税 住宅用地特例の解除 住宅用地特例の解除
命令・罰則 予定なし 命令違反に過料あり

重要なのは、命令や代執行を伴う特定空家等になる前であっても、勧告を受けた段階で税の優遇が外れるという点です。つまり、行政の関与が及ぶタイミングが従来より大きく前倒しされたといえます。

💡 ポイント
管理不全空家等は「特定空家等の一歩手前」を行政が指導・勧告できる新区分です。命令や代執行はありませんが、勧告による住宅用地特例の解除は同様に生じます。

特定空家等の税負担や対応の流れについては、特定空き家に指定されると固定資産税が最大6倍になる仕組みの解説記事もあわせてご確認いただくと、両区分の違いがより明確になります。

1-3.なぜ改正されたのか(背景)

改正の背景には、深刻化する空き家の増加があります。総務省の令和5年住宅・土地統計調査(確報集計)によれば、2023年10月1日時点で全国の空き家数は900万2千戸と過去最多、空き家率も13.8%と過去最高を記録しました。

このうち、賃貸・売却用や別荘などの二次的住宅を除いた、いわゆる「使われていない空き家」は385万6千戸にのぼります。こうした空き家は管理が行き届きにくく、放置されると周辺環境の悪化や防災・防犯上の問題につながりやすいとされています。

従来の空家法では、特定空家等に指定されるほど状態が悪化して初めて行政が踏み込めました。しかしそれでは対応が後手に回りがちで、より早い段階で適正管理を促す仕組みが必要だと考えられたことが、管理不全空家等の新設につながりました。

空き家が放置されやすい背景には、構造的な事情もあります。多くの空き家は相続をきっかけに発生します。親世代が住んでいた家を子世代が引き継いだものの、すでに自分の生活拠点が別にあり、思い入れもあって手放す決断がつかないまま時間だけが過ぎていく――こうした流れは決して珍しくありません。さらに、建物が建っている限り住宅用地特例で土地の固定資産税が抑えられているため、「持ち続けるコストが意外に小さく感じられる」ことも、放置を後押ししてきた一因とされています。

2023年改正は、まさにこの「放置のインセンティブ」に踏み込んだ点に大きな意味があります。管理不全空家等として勧告を受ければ税の優遇が外れるため、「放置を続けるほうが割高になり得る」という構造へと転換が図られたのです。オーナー様の側から見れば、これまでと同じ感覚で空き家を放置していると、思わぬ税負担に直面しかねない、ということになります。

本章のまとめ
・管理不全空家等は「放置すれば特定空家になるおそれ」の新区分(空家法第13条)
・特定空家等は命令・代執行まで予定、管理不全は指導・勧告まで
・背景には空き家900万戸という過去最多の状況がある

第2章 現状と課題|固定資産税が最大6倍になるリスク

🎯 この章で解説すること
管理不全空家等に指定され、勧告を受けるとどのような税負担が生じるのか。住宅用地特例の解除の仕組みと、指定から課税強化に至る流れを、データと条文に沿って解説します。

2-1.数字で見る空き家の現状

まず、課題の大きさを客観的な数字で確認します。いずれも総務省の令和5年住宅・土地統計調査などの公的データに基づくものです。

指標 数値 出典・補足
全国の空き家数 900万2千戸 令和5年・過去最多
空き家率 13.8% 過去最高
使われていない空き家 385万6千戸 賃貸・売却・二次的住宅を除く
前回(2018年)の同区分 約349万戸 5年で約37万戸増

「使われていない空き家」が5年間で約37万戸増えているという事実は、管理不全状態に陥る予備軍が着実に積み上がっていることを示しています。オーナー様にとっては、ご自身の物件もこの統計の一部になり得る、という認識が大切です。

空き家率が13.8%にまで上昇したということは、全国の住宅のおよそ7〜8戸に1戸が空き家という計算になります。地域によってはこの割合がさらに高く、空き家が点在することで防犯・防災・景観など地域全体の課題につながりやすい状況です。行政が早期介入の仕組みを整えた背景には、こうした「面」としての広がりへの危機感があると考えられます。

なお、これらの数値はあくまで全国レベルの傾向です。実際の課題は一戸一戸の状態によって異なります。統計上の「予備軍」が、勧告・特例解除の対象になるかどうかは、その物件が今どういう状態にあるかで決まります。だからこそ、まずはご自身の物件の現状を把握することが、課題と向き合う出発点になります。

2-2.指定から勧告までの流れ

管理不全空家等への行政の関与は、いきなり重い処分が下されるわけではありません。空家法第13条に沿って、段階を踏んで進みます。

①市町村による状態の把握・調査 → ②管理不全空家等としての位置づけ → ③指導(第13条第1項) → 改善されない場合 → ④勧告(第13条第2項)、という流れが基本です。

ここで決定的に重要なのが、③の指導の段階ではなく、④の勧告を受けた時点で税の優遇が外れるという点です。指導の段階で適切に対応すれば、税負担の増加は避けられる可能性があります。早期対応の価値は、まさにこの一点にあります。

⚠️ 注意
指導を受けた段階で放置せず対応すれば、勧告・特例解除に至らずに済む可能性があります。「行政からの通知=手遅れ」ではありません。通知が届いた時点が、対応を始める分岐点です。

2-3.住宅用地特例の解除と固定資産税6倍の仕組み

なぜ「最大6倍」という数字が出てくるのか。鍵を握るのが住宅用地特例です。住宅が建っている土地は、地方税法に基づき固定資産税・都市計画税の課税標準が軽減されています。

区分 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 課税標準 1/6 課税標準 1/3
一般住宅用地(200㎡超の部分) 課税標準 1/3 課税標準 2/3

勧告を受けた管理不全空家等・特定空家等の敷地は、この住宅用地特例の適用対象から除外されます。根拠となるのが地方税法第349条の3の2の規定です。

📖 地方税法 第349条の3の2(要旨)
「住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は軽減される。ただし、空家法の規定により勧告された管理不全空家等・特定空家等の敷地の用に供されている土地は、この特例の対象から除かれる。」

小規模住宅用地では課税標準が1/6に軽減されているため、これが外れると課税標準は単純計算で6倍になります。これが「固定資産税が最大で約6倍」と言われる根拠です。なお、実際の税額は負担調整措置などにより必ずしも額面どおり6倍になるとは限りませんが、大幅な増加となる点に変わりはありません。

イメージをつかむために、ごく簡略化した試算で考えてみます。仮に小規模住宅用地の特例が適用されている状態での土地の固定資産税が年間3万円だったとします。特例が外れて課税標準が6倍になると、単純計算では年間18万円程度に膨らむ可能性があります。あくまで仕組みを示すための概算であり実額を保証するものではありませんが、年間で十数万円規模の差が生じ得ることは、リスクの大きさを実感する手がかりになるはずです。これが毎年積み重なると、負担はさらに大きくなります。

見落とされがちなのが都市計画税への影響です。都市計画税にも住宅用地の軽減(小規模住宅用地で1/3、一般住宅用地で2/3)がありますが、これも勧告により外れます。つまり固定資産税と都市計画税の両方で負担が増える点にも留意が必要です。

🚨 重要な注意
特例の解除は賦課期日である1月1日時点で判断されます。1月1日までに勧告に対する必要な措置が講じられないと、その年から特例が外れます。年末は対応が間に合わない可能性があり、余裕を持った着手が望まれます。

なお、解体や状態改善を行った場合の減免など、自治体ごとの税の取り扱いについては、自治体による固定資産税減免の解説記事もご参照ください。

本章のまとめ
・空き家900万戸、使われていない空き家は5年で約37万戸増
・勧告(第13条第2項)を受けた段階で住宅用地特例が解除される
・特例解除は1月1日基準。年末ぎりぎりでは間に合わない可能性がある

第3章 解決策|管理委託・売却引取・解体活用の3つの選択肢

🎯 この章で解説すること
管理不全状態を回避・解消するための代表的な3つの方法を、手順・費用・期間の目安とともに整理します。最後に比較表を掲載しますので、ご自身の状況に合う方向性を見つける手がかりにしてください。

解決策A:空き家管理を委託する

「いずれ使う予定があり、今は手放したくない」というオーナー様に向くのが管理委託です。専門業者が定期的に巡回し、換気・通水・庭木の手入れ・郵便物確認などを行うことで、管理不全状態への進行を防ぎます

手順は、①現地の確認と見積もり → ②契約 → ③定期巡回開始、という流れが一般的です。費用の目安は内容により幅がありますが、月額数千円から1万数千円程度のプランが多く見られます。遠方にお住まいで現地に通えないオーナー様にとって、現実的な第一手となります。

管理委託の利点は、所有を続けながら管理不全状態への進行を防げる点にあります。定期的に人の手が入ることで、雑草や郵便物の滞留といった「放置されている」サインが表に出にくくなり、近隣からの相談や行政の関与のきっかけを減らすことにつながります。将来的に売却や活用を考える場合でも、建物の傷みを抑えておくことは選択肢を残すうえで有利に働きます。

一方で、管理委託はあくまで状態を維持する手段であり、根本的に所有の負担を解消するものではない点には留意が必要です。固定資産税の支払いは続きますし、いずれは「持ち続けるのか手放すのか」の判断が必要になります。管理委託は、その判断までの時間を確保するための手段と位置づけると、役割が明確になります。

管理サービスは内容や巡回頻度が業者ごとに異なります。選び方のポイントは、空き家管理サービスの選び方7つのポイントの解説記事で詳しく整理しています。

解決策B:売却・引取で手放す

「活用予定がなく、管理し続ける負担も避けたい」という場合は、売却または引取によって所有から離れる方法があります。売却できれば、固定資産税や管理の負担そのものから解放されます。

立地や建物の状態によっては一般的な売却が難しいケースもありますが、その場合でも引取(買取・引受)という選択肢が検討できます。手順は、①査定・状態確認 → ②条件の提示・協議 → ③契約・引渡し、というのが基本的な流れです。期間は数週間から数か月程度が一つの目安となります。

💡 ポイント
「売れない」と思い込んでいた物件でも、引取という形であれば対応できる場合があります。まずは状態を確認したうえで、取り得る選択肢を一緒に整理することが出発点です。

解決策C:解体・活用する

建物の老朽化が進んでいる場合は、解体して更地にする、あるいはリフォームして賃貸・活用するという方向もあります。解体すれば管理不全状態のリスクそのものを解消できますが、注意点もあります。

⚠️ 注意
住宅を解体して更地にすると、その土地は住宅用地ではなくなるため、住宅用地特例が適用されなくなります。結果として翌年以降の固定資産税が上がる場合があります。解体費用と税負担の双方を踏まえた判断が必要です。

解体費用は建物の構造・規模・立地で大きく変動します。活用を選ぶ場合は、賃貸需要や改修費とのバランスを見極めることが欠かせません。いずれも費用と将来の負担を比較したうえで判断することが大切です。

解体を検討する際に押さえておきたいのは、「解体後の土地をどうするか」までセットで考えることです。更地にしただけで放置すれば、住宅用地特例が外れて固定資産税が上がったうえに、土地としての管理(雑草・不法投棄対策など)が新たに発生します。売却や駐車場としての活用など、解体後の出口まで描いておくことで、解体が「負担の解消」につながりやすくなります。

リフォームして賃貸に出す活用は、うまくいけば収益を生む可能性がありますが、改修費の回収には一定の期間と賃貸需要が前提となります。立地や建物の状態によっては回収が見込みにくい場合もあるため、「活用ありき」で進めず、需要を冷静に見極める姿勢が求められます。

3つの解決策の比較

項目 A 管理委託 B 売却・引取 C 解体・活用
向くケース 将来使う予定あり 活用予定なし 老朽化・建替え
所有の継続 継続する 手放す 継続する場合が多い
費用目安 月額数千円〜 原則持ち出し少 解体・改修費が必要
期間目安 即日〜 数週間〜数か月 数週間〜
税への影響 特例維持しやすい 負担から解放 更地化で特例外れる場合

どの方法が最適かは、物件の状態・立地・オーナー様のご事情によって変わります。一つに絞り込む前に、複数の選択肢を並べて比較することをおすすめします。

☐ 物件を将来使う予定があるか整理した
☐ 現在の管理状態(草木・建物・郵便物)を確認した
☐ 行政からの通知(指導・勧告)が届いていないか確認した
☐ 売却・引取・解体それぞれの費用感を把握した
☐ 賦課期日(1月1日)までの残り時間を意識した
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本章のまとめ
・管理委託は所有を続けつつ管理不全を防ぐ手段
・売却・引取は負担そのものから解放される
・解体は更地化で特例が外れる場合があり、費用と税の両面で検討が必要

第4章 ケースで見る管理不全空家等への対応

🎯 この章で解説すること
実際にどのような形で問題が表面化し、どう対応の道筋を立てるのか。典型的なパターンを3つの仮想ケースで紹介します。いずれも個人を特定しない仮名・地域ぼかしの事例です。

📋 ケース:A様(60代・東京都内)
相続した実家が遠方にあり、年に数回しか訪れられないうちに庭木が伸び、近隣から市へ相談が入りました。市から指導の通知が届いた段階でご相談。勧告前の指導の段階であったため、管理委託で定期巡回を開始し、状態を改善する方向で整理を進めました。早期に着手したことが、税負担増の回避を検討するうえで有利に働いた一例です。
📋 ケース:B様(70代・埼玉県内)
長年使っていない木造住宅の老朽化が進み、ご自身での管理も難しくなっていました。活用の予定がなかったため、売却・引取の方向で検討。立地や状態を確認したうえで取り得る選択肢を整理し、所有の負担から離れる道筋を一緒に検討しました。「もう売れないと思っていた」というお声がありましたが、まず状態を確認することの大切さがうかがえる事例です。
📋 ケース:C様(50代・東京都内)
建物の傷みが大きく、解体も視野に入れていました。ただ、更地にすると住宅用地特例が外れて翌年以降の固定資産税が上がる点が気がかりでした。解体費用と将来の税負担の双方を並べて比較し、慌てて結論を出すのではなく、複数案を検討したうえで方向性を定める進め方を取りました。

※上記は典型的なパターンを示すための仮想ケースであり、特定の個人・物件を指すものではありません。実際の対応や結果はお一人おひとりの状況によって異なります。

本章のまとめ
・指導の段階での早期相談は選択肢を広げる
・「売れない」と思っていた物件にも検討の余地がある場合がある
・解体は税負担も含めて多面的に比較することが大切

第5章 よくあるご質問(Q&A)

🎯 この章で解説すること
管理不全空家等についてオーナー様から寄せられることの多いご質問を、Q&A形式で整理します。

Q1.管理不全空家等に指定されると、すぐに税金が上がりますか?

いいえ。住宅用地特例が解除されるのは勧告(第13条第2項)を受けた場合です。指導の段階で適切に対応すれば、勧告・特例解除に至らずに済む可能性があります。

Q2.特定空家等とは何が違うのですか?

特定空家等は倒壊等の危険が現実化した段階で、命令や代執行まで予定されています(第22条)。管理不全空家等はその手前の段階で、指導・勧告までが対象です(第13条)。ただし勧告による税の優遇解除は共通します。

Q3.固定資産税は本当に6倍になるのですか?

小規模住宅用地では課税標準が1/6に軽減されているため、特例が外れると課税標準は単純計算で6倍になります。ただし負担調整措置などにより、実際の税額が必ずしも額面どおり6倍になるとは限りません。いずれにせよ大幅な増加となります。

Q4.特例が外れるのはいつからですか?

固定資産税の賦課期日である1月1日時点で判断されます。1月1日までに勧告への必要な措置が講じられないと、その年から特例が適用されなくなります。

Q5.遠方に住んでいて管理に通えません。どうすればよいですか?

空き家管理の委託が現実的な選択肢です。定期巡回により換気・通水・庭木の手入れなどを代行することで、管理不全状態への進行を防ぎやすくなります。

Q6.解体すれば安心ですか?

建物の管理不全リスクは解消できますが、更地にすると住宅用地特例が適用されなくなり、翌年以降の固定資産税が上がる場合があります。解体費用と税負担の双方を踏まえた検討が必要です。

Q7.行政から通知が届きました。もう手遅れですか?

いいえ。通知(特に指導)が届いた時点は、対応を始める分岐点です。放置せず早期に動くことで、勧告や特例解除を回避できる可能性があります。

Q8.売れそうにない物件でも相談できますか?

はい。立地や状態によって一般的な売却が難しい場合でも、引取という選択肢を検討できることがあります。まずは状態を確認することが出発点です。

Q9.特定空家等の命令に従わないとどうなりますか?

特定空家等への命令に違反した場合、過料の対象となり得るほか、最終的には行政代執行が行われる可能性があります。詳しくは特定空家の改善命令と90日対応の流れの解説記事をご参照ください。

Q10.改正法はいつから施行されていますか?

管理不全空家等を新設した改正空家法(令和5年法律第50号)は、2023年6月14日に公布され、2023年12月13日に施行されています。

本章のまとめ
・特例解除は「勧告」「1月1日基準」が二つの鍵
・解体は税負担増の可能性があり一概に安心とはいえない
・行政通知は「手遅れ」ではなく対応開始の分岐点

第6章 ヘリテージリンクの空き家対応について

🎯 この章で解説すること
当社ヘリテージリンクが、管理不全空家等のお悩みに対してどのような対応を行っているか、対応エリアやご相談の流れを含めてご案内します。

6-1.当社が対応していること

ヘリテージリンクは、空き家管理・不要不動産の引取・売却サポートを中心に、オーナー様の状況に応じた対応を行っています。「使う予定はないが手放し方がわからない」「遠方で管理できない」「行政から通知が届いて不安」といったご相談を幅広くお受けしています。

一つの方法を押し付けるのではなく、管理委託・売却・引取・解体検討といった複数の選択肢を並べ、オーナー様にとって無理のない方向性を一緒に整理することを大切にしています。

6-2.対応エリア

対応エリアは東京都・埼玉県を中心としています。地域の事情に即した対応を心がけており、遠方にお住まいで現地に通えないオーナー様からのご相談にも対応しています。

6-3.ご相談の流れ

①お問い合わせ → ②現状とご希望のヒアリング → ③物件状態の確認 → ④取り得る選択肢のご提案 → ⑤方向性の決定、という流れで進めます。途中で「やはり考え直したい」となった場合も、無理に進めることはありません。

💡 ポイント
大切なのは、勧告や特例解除に至る前の早い段階でご相談いただくことです。時間に余裕があるほど、選べる選択肢が広がります。

空き家の管理についてのご相談は、以下の専用フォームからお気軽にお寄せください。

▶ 空き家管理について相談する

本章のまとめ
・当社は空き家管理・引取・売却サポートを中心に対応
・対応エリアは東京都・埼玉県を中心
・早い段階のご相談ほど選択肢が広がる

まとめ

2023年12月13日に施行された改正空家法により、「管理不全空家等」という新しい区分が設けられました。これは特定空家等の一歩手前を行政が指導・勧告できる仕組みであり、空き家への関与のタイミングが大きく前倒しされたことを意味します。

最大の注意点は、勧告を受けると住宅用地特例が解除され、土地の固定資産税が大幅に増える可能性があることです。特例の解除は1月1日を基準に判断されるため、対応は早ければ早いほど有利になります。

「まだ大丈夫」と先送りせず、指導や通知が届いた段階で動くこと、あるいはその前に管理・売却・引取・解体といった選択肢を整理しておくことが、税負担増のリスクを抑える鍵となります。ヘリテージリンクは、東京・埼玉を中心に、オーナー様の状況に寄り添った対応を行っています。まずはお気軽にご相談ください。

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※本記事は2026年6月時点の公開情報に基づく一般的な解説であり、個別の税額や行政対応を保証するものではありません。具体的な税務・法務の判断は、所管の市区町村窓口や税理士・専門家にご確認ください。

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